ケララ州を襲う三つの災難
昨日、インド南部のケララ州コーチン市に住む友人、Mr.Jayakrishnanと電話会議を行いました。
ケララ州の州民の苦悩について、状況を語ってくれました。
ケララ州では、コロナ感染のみならず、航空機墜落事故、大雨洪水災害と、同時に三つの災害に襲われています。
インド国内で、モンスーン豪雨により大きな被害が出ています。インド4州で152人が死亡、17名が行方不明。特にケララ州では、16万5000人以上が自宅を追われ、避難生活を余儀なくされています。豪雨は今なお続いています。
そして、8/7には、ケララ州南部イドゥッキ県で発生した土砂崩れで、43人が亡くなっています。
その土砂崩れのあった同じ8/7夜、私・大矢が二月に訪問したケララ州Kozhikode市の空港で、格安航空エア・インディア・エクスプレスの旅客機が、暴風雨の中、着陸に失敗し大破。18人が死亡、140以上が負傷しました。原因は、暴風雨の中で着陸を試み、滑走路をオーバーランして斜面に落下したことです。
この中でも土砂災害は、土木技術により防ぐことが出来ます。
二月にケララ州を訪問した目的は、ケララ州政府の資本が入った、半官半民のインフラ工事業者ULCCS社から依頼を受け、日本の土木技術をケララ州にて導入できないかどうかの検討でした。
特に、このケララ州では、毎年水害に見舞われ大きな被害が出ており、水害の抜本的対策がすぐにでも必要な状況です。
日本で標準になっている、シートパイルを使用した杭打ちや土留めは使われず、前近代的な木材使用のモノが主流です。これでは根本的な対策にはならず、その場しのぎに過ぎません。
逆に日本のパイリング技術を使うことで、半永久的な水害対策実施が可能になり、長い目で見たら費用対効果は絶大です。
下の二枚の写真は、二月にケララ州で撮影したパイリング(杭打ち)の状況です。
左の写真は、杭を人力で打ち付けている様子。杭長さはわずか1〜2メーターで、大雨が来たらすぐに流されそうです。
右の写真は、橋の工事で、木杭を使って止水しようとしていますが、止水になっていません。
残念ながら、これでは災害対策は厳しいです。