コロナの効能②「ビジネス潮流の変化」
一つの格言があります。
「危機は時に、世の中を変える力になる」
新型コロナウイルスや印中関係悪化をきっかけに、新しい潮流の兆しが出ています。
まず今回は、インド製造業者視点での潮流変化について、考察してみました。
現象1:コロナによる複数回のロックダウンにより、経済が麻痺&大幅減速
潮流1:国内需要が大きく落ち込み、多くの企業がインド国内需要に頼るビジネスモデルから脱却しようと、輸出に力を入れ始めている。
自動車産業では、昨年度インド国内自動車販売台数が18%もダウンし、日本でのマーケティング活動を始める自動車部品メーカーが増加。新型コロナウイルスがこのトレンドにさらに加速度を与えています。
例えば、5,6年前から日本市場に入り込んでいるインド大手自動車部品メーカーは、最近、日本での売上を今の50倍にしたいという目標を掲げました。現在、当社でその目標達成までのロードマップとプロポーザルを作成しています。
この自動車部品メーカー以外でも、ここ数ヶ月で10社近くから、日本でのマーケティング活動の依頼が来ています。
現象2:中国起源のコロナが世界を苦しめたという対中国嫌悪感、ヒマラヤでの両軍の衝突、中国製アプリ・HUAWEI製品使用禁止、中国からの輸入厳格化、中国製品ボイコット運動等、印中関係が急速に悪化。
潮流2:ビジネス相手として、中国企業を避け、日本、韓国、台湾、東南アジア企業への移行が始まっている。
当社では、インド企業から資機材の調達依頼を受けることが頻繁にありますが、彼らは口々に「日本以外でも良いが、中国だけは避けて欲しい」と話します。感情的な理由だけで無く、具体的に中国企業にだまされたという経験が、彼らや彼らの周りであるようです。
また、「日本政府が、中国から拠点を移す日系企業を支援する」という、4/9発信のブルームバーグニュースを見たインド人パートナーや友人達、5,6人から連絡が入り、「インド進出したい日系企業があれば手伝うから、すぐに連絡してくれ!」という依頼が次々舞い込みました。彼らは口々に、中国への不満と、日本企業ウェルカムの意思表示をしていました。
以下がその記事。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-09/Q8GCPQDWRGGD01